His Iron Works シリーズ
鉄は身近で多く使われている金属素材なのですが、赤茶色でボロボロに錆びたちょっと残念な状態や、サビ止めでコーティングされて表面が隠されている物、ステンレスのような合金などを目にすることがほとんどで、意外に鉄そのものの素材感に触れる機会は少ないように思います。
「His Iron Works」 は、そんな鉄本来の味気や美しさを推した、鉄好き?の鉄好き?による鉄好き?のための家具シリーズで、業界では「黒皮」と呼ばれる、鋼材の製造過程にできる一見黒に見える酸化皮膜で覆われた材料のみを用いてつくられています。
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酸化しているのでこのクロカワもサビはサビなのですが、内部へは侵食せず表面を保護し、見た目にも表情がある優れものであります(完全に赤錆を抑えられるというものではありませんが)。また、材料の種類ごとに表情の差異があり、その組み合わせによってより個性が出てきます。写真は厚み2.4mmのクロカワ鉄板のみでできた 「Bend Side Rack」 という商品です。
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「Angle Desk」 や 「Angle TV Rack」 は黒皮のアングル材と鉄板の組み合わせでできています。随分と表情に違いがあるのがわかるかと思います。
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「Angle Dining Table」 の脚は黒皮のアングル材のみを使用していますが、溶接跡や仕上げに使われている蜜蝋の焼き付け時に出る独特な焼き色がなんとも魅力的です。この仕上げについてはまた後日お話しできればと思います。
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他にはパイプやフラットバーという四角の平棒を材料として使っていますが、それぞれに違った斑があり面白いです。
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これらの材料を使いひとつひとつ職人さんが手仕事で制作するのですが、最終的に錆止めなどで全面コーティングして隠すわけではないので、その手の跡が全て表に出てきます。言わば一発勝負で唯一無二の製品が出来あがります。その職人さんのお話もまた後日特集したいと考えています。
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写真はショールームのドアについているハンドルですが、これもその職人さんの仕事です。黒皮ではない鉄パイプを曲げて作ったもので、仕上げは真鍮メッキです。鉄の赤錆と銅の青錆が出ていてこれはこれで妙です。